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「故人らしさ」は飾りではない――思い出を聞くことから葬儀は始まる | 徳島・香川の葬儀・家族葬なら家族葬の花水木

家族葬の花水木 葬儀屋の(副)社長ブログ

「故人らしさ」は飾りではない――思い出を聞くことから葬儀は始まる

2026年07月21日

「故人らしさ」は飾りではない――思い出を聞くことから葬儀は始まる

「故人様らしい葬儀にしたい」と言われたとき、何を思い浮かべるでしょうか。

好きだった花や音楽、趣味の品を飾ることも、一つの方法です。しかし私は、物を置くだけで「その人らしさ」が生まれるとは思っていません。故人様が何を大切にし、誰とどんな時間を過ごしてきたのかを、ご家族から丁寧に聞くこと。そこから葬儀は始まります。

2026年7月2日に公表された民間の意識調査では、全国の男女500人のうち76.0%が、故人の趣味や人柄をお別れの場に取り入れることに前向きでした。また、自分や大切な方とのお別れに「その人らしさ」を取り入れたいと答えた人は68.2%でした。

一つのインターネット調査だけで、すべての人の気持ちを決めつけることはできません。それでも、形式だけではなく「その人を思い出せる時間」を求める声があることを、葬儀社は真剣に受け止めるべきだと私は思います。

なぜ「趣味を飾るだけ」では足りないのでしょうか

たとえば「釣りが好きだった」と聞いたとします。釣り道具を飾れば、それらしい会場には見えるかもしれません。しかし、本当に残したいのは道具そのものではないはずです。

夜明け前に家を出たこと。初めて魚を釣った子どもの顔を、自分のことのように喜んだこと。帰宅すると、家族に何度も同じ話をしたこと。そうした記憶を聞いて初めて、趣味は故人様の人柄や、ご家族とのつながりとして立ち上がります。

故人らしさとは、目立つ演出ではありません。その方と誰かの間に残った、かけがえのない記憶です。

だから私たちは、「ご趣味は何でしたか」で聞き取りを終えてはいけません。「その時間を誰と過ごしましたか」「どんな表情をしていましたか」「今でも思い出す言葉はありますか」と、もう一歩だけ深く伺う必要があります。

家族葬なら、誰の思い出を聞けばよいのでしょうか

家族葬の「家族」は、戸籍上の範囲だけで決まるものではありません。親族でなくても、長く支え合った友人や近所の方、仕事仲間が、その方らしさをよく知っていることがあります。

家族葬と一般葬の違いを知ることは大切ですが、形式の名前だけで参列者を機械的に区切る必要はありません。家族葬でお声がけする範囲を考えるときも、「何親等までか」だけでなく、「誰とお別れの時間を分かち合いたいか」という視点を持ってほしいと思います。

人数が少ないからこそ、ゆっくり話せることもあります。花水木の家族葬の考え方も、規模を小さくすることだけを目的にしていません。故人様をよく知る方々が、互いの記憶を重ね、感謝を伝えられる時間を守るための形です。

葬儀社は、思い出をどう受け取るべきでしょうか

ご家族は、深い悲しみの中にいます。「何か故人様らしいものを」と一度に求められても、すぐに言葉が出ないことがあります。そこで質問を重ねすぎれば、思い出を話すこと自体が負担になってしまいます。

まず、今決める必要があることと、後から思い出しても間に合うことを分ける。答えを急がせず、話してくださった言葉を勝手に脚色しない。できることと難しいことを、会場の条件も含めて正直に伝える。これは演出力より前に必要な、葬儀社の基本姿勢です。

花水木が大切にする一日一家族貸切と一施工一担当制も、豪華に見せるための仕組みではありません。一人の担当者がご家族の言葉を受け取り、途中で思いがこぼれ落ちないようにするための仕組みです。葬儀の段取りを先に知りたい方は、家族葬の基本的な流れも参考にしてください。

今日から家族で話せることは何でしょうか

特別なエンディングノートがなくても、次の三つは普段の会話から残せます。

  • 時間を忘れるほど好きだったこと
  • 大切にしていた人や、よく話していた思い出
  • 家族が聞くと、本人の声まで思い出せる言葉

葬儀の形式を今すぐ決めなくても構いません。好きだったことを一つ聞く。その理由をもう一つ聞く。その会話が、いつかご家族の判断を支えます。葬儀やお別れについて分からない言葉があれば、花水木の葬儀の豆知識から少しずつ確認することもできます。

よくある質問

故人らしい葬儀にするには、特別な演出が必要ですか?

特別な演出が必要とは限りません。好きだった音楽や花、思い出の品を取り入れる方法もありますが、ご家族が思い出を語れる時間をつくることや、故人様の言葉を共有することも、その方らしいお別れにつながります。会場の条件や安全面も確認して決めましょう。

趣味や希望が分からない場合は、どうすればよいですか?

無理に「らしさ」を作る必要はありません。普段の服装、口ぐせ、好きだった季節、よく行った場所など、小さな記憶から考えてみてください。分からないことを勝手に補わず、分かっている範囲を大切にすることが敬意だと思います。

家族葬には、親族以外を呼んでもよいですか?

家族葬の参列範囲に一律の決まりはありません。故人様やご家族の意向をもとに、親しい友人や仕事仲間へお声がけすることもできます。人数、会場、訃報の伝え方、香典や供花の受け取り方を事前に整理しておくと安心です。


「その人らしく送りたい」という願いは、会場を飾りたいという願いではありません。大切な人の人生を、ありきたりな一言で終わらせたくないという、ご家族の切実な思いです。

葬儀はやり直しがききません。だからこそ私たちは、物を並べる前に言葉を聞き、形を提案する前に、その方が生きてきた時間へ向き合います。

話がまだまとまっていなくても大丈夫です。お別れの時間や家族葬について整理したいときは、花水木の事前相談・資料請求でお話をお聞かせください。私はこれからも、故人様の「生きた証」が、ご家族の記憶の中で確かに残る葬儀を、一件一件つくっていきます。