生前、言えなかった感謝はないか。皆さんは、どうでしょうか。
私は、葬儀は儀式を消化する時間ではなく、感謝を伝える時間と考えています。
葬儀は、日程や物品を決めれば終わる仕事ではありません。突然の別れの中にいるご家族が、何を大切にして送りたいのかを一緒に整理し、その思いを現実の時間と場所へつなぐ仕事です。
現場で感じることをどう考えるか
私たちが現場で感じるのは、突然の別れでは言葉が出てこないということです。
これは綺麗ごとではありません。限られた時間の中で決めることが多いからこそ、何を大切にしたいのかを言葉にする必要があります。
葬儀社の役割をどう考えるか
葬儀社の役割は、ご家族が気持ちを伝えられる場面を整えることです。
形式だけを整えても、ご家族の気持ちが置き去りになれば、納得できるお別れにはつながりません。私たちは理由まで伺って初めて提案ができると考えています。
花水木の姿勢をどう考えるか
花水木は、形式よりも故人様らしさとご遺族の想いを優先することを大切にしています。
正解を押しつけるのではなく、できることと難しいことを分けて説明する。そこから、ご家族自身が選べる状態をつくることが葬儀社の役割です。
読者への問いをどう考えるか
皆さんにも、伝えたい言葉、入れてあげたい品、聴かせたい音楽は何かを考えていただきたいと思います。
葬儀はやり直しがききません。だから私は、慣れた仕事ほど確認を省かず、一件ごとに初めて向き合う気持ちを持つべきだと思います。
感謝は、言葉以外の形でも伝えられる
「ありがとう」と声に出せないこともあります。手紙を棺のそばで読む、好きだった音楽を流す、思い出の写真を家族で見る。そうした時間も感謝を伝える一つの形です。大切なのは、決められた演出を足すことではありません。その人に何を受け取ってきたのかを、ご家族が自分たちの方法で確かめられることです。
言えなかった言葉を急がせない
突然の別れでは、気持ちをうまく言葉にできない方もいます。泣けないことも、何も話せないこともあります。葬儀社が感動的な言葉を求めるべきではありません。話せる方には時間をつくり、静かにそばにいたい方には、その静けさを守る。感謝の表し方を一つに決めないことも、寄り添う姿勢だと思います。
家族との対話を、実際の準備へつなげる
思いを大切にすると言うだけでは、葬儀の準備は進みません。大切にしたいことを、担当者が確認できる具体的な言葉へ置き換える必要があります。このテーマでは、次のような問いから話し始めると、ご家族の希望が見えやすくなります。
- 現場で感じること:突然の別れでは言葉が出てこない
- 葬儀社の役割:ご家族が気持ちを伝えられる場面を整える
- 花水木の姿勢:形式よりも故人様らしさとご遺族の想いを優先
答えが一つに決まらなくても構いません。意見が違うこと自体を問題にせず、本人の希望、家族の事情、施設や宗教者への確認事項を分けて記録します。その上で、今日決めることと、後で選び直せることを整理します。
葬儀社は、家族に代わって価値観を決める立場ではありません。できること、難しいこと、代わりに提案できることを説明し、ご家族が自分たちで選べる状態をつくる。私は、その過程まで含めて葬儀の仕事だと考えています。
今日から家族で話せること
葬儀のすべてを今決める必要はありません。誰に来てほしいか、どんな言葉を伝えたいか、残したい時間は何か。この三つだけでも、本人と家族で話してみてください。
話しにくいときは、写真、好きだった音楽、会ってほしい人から始めても構いません。希望が分からないまま残されるより、少しでも本人の言葉が共有されている方が、ご家族は判断しやすくなります。
事前相談は、契約を急ぐための場ではありません。希望と不安を見える形にし、まだ決めなくてよいことを確認する場でもあります。
花水木の考え方と相談窓口
よくあるご質問
Q. 本人の希望が具体的でなくても話し合えますか?
話し合えます。人数、場所、伝えたい言葉など、答えやすい項目から整理できます。
Q. 家族の意見が分かれた場合はどうすればよいですか?
誰かの正解へ寄せる前に、故人様が大切にしていたことと、準備を担う方の事情を分けて言葉にします。
Q. 事前相談をしたら契約しなければなりませんか?
相談と契約は分けて考えられます。確認した内容を家族へ持ち帰り、落ち着いて検討してください。
一件ごとに、同じものは一つもない
私が最後にお伝えしたいのは、「感謝が届く葬儀を一件ずつ支える決意」ということです。私はそのために、目の前のご家族の言葉を聞き、確認を重ね、できることを一つずつ形にしていきます。
人は、生きた証を誰かの心に残していきます。その証を丁寧に受け取り、感謝を伝えられる時間を守る。これからも花水木は、その覚悟を持って一件一件の葬儀に向き合います。

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