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「三月またぎ」の語源とは? | 阿南市の葬儀・家族葬なら家族葬の花水木

葬儀前

「三月またぎ」の語源とは?

2023年11月15日

仏教において、亡くなった方はあの世で7日ごとに生前の行いを基準として審判を受け、49日目の最終審判で極楽浄土に行けるかどうかが決まるとされています。そのため本来は、裁判のタイミングごと(7日ごと)に故人が無事に極楽浄土に行けることを祈り、四十九日が明けるまでに計7回の法要を営むのが通例でした。旅を終える49日目で忌明けを迎えますが、この時行う供養を「四十九日法要(七七日忌)」といいます。

また四十九日法要は、中陰が明ける(忌明け)タイミングで行われる法要であることから、「満中陰法要(まんちゅういんほうよう)」や「忌明け法要」とも呼ばれます。

ここで注意したいのが浄土真宗です。浄土真宗においては「忌中」や「喪中」といった考え方がないため、おのずと「忌明け」や「四十九日」も一般的には関係ありません。

さて、亡くなるタイミングによっては四十九日法要を迎えるまでの期間が3ヵ月にわたることがあるのですが、これを「三月またぎ(みつきまたぎ)」と言い、縁起が悪いと考える人がいます。

これはなぜなのか、今回は「三月またぎ」について解説いたします。

※忌日法要については「忌日法要・遺族の心得 」もご覧ください。

「三月またぎ」の語源

先述の通り、亡くなるタイミングによっては、四十九日法要を迎えるまでの期間が3カ月にわたることがあります。なぜこれを縁起が悪いと考える人がいるのか。その理由は、語呂合わせからきていると言われているのです。

「三か月→三月(みつき)→身付(みつき)→身に付く」

これに四十九日を合わせて、「始終、苦(しじゅうく)が身に付く」とし、亡くなってから四十九日法要まで、月を3つまたぐのは縁起が悪いと考えられるようになったようです。

あくまでもゲン担ぎでしかない

弔事ではこうした縁起を気にする方は多く、三月またぎだけでなく「友引」もそのひとつです。「友引」はもともと、「共に引き分け」つまり、「勝負がつかない日」という意味であったものです。ところが今では「(故人が)友を引く」という意味で捉えていることが多く、縁起が悪いもの、良くない日と認識されている方のほうが多いでしょう。全国にある多くの火葬場が「友引」は休業となっているのもそのなごり、とされています。

つまりは、あくまでも語呂合わせのゲン担ぎでしかないのです。

本当に意味のあることなのか、迷信に惑わされていないか、今一度よく考えていただきたいものですね。

日程を調整する必要はあるのか

そもそも「四十九日」とは、故人の命日を1日目とし、そこから数えて49日目までの期間、または49日目当日を指します。

故人が亡くなられてから四十九日までの期間は忌中(きちゅう)や中陰(ちゅういん)と呼ばれ、この期間中、遺族は故人様の死を悼み、身を慎んで過ごします。

49日目に「四十九日法要」を行い、これをもって「忌明け(きあけ)」とし、遺族はこのタイミングを節目として喪に服していた期間を終えることとなりす。

つまり四十九日とは故人が冥土に向かって旅をする期間であり、その旅路の安寧を願う大切な期間なのです。

なかには三月またぎになることを気にして四十九日法要を前倒しする方もいるようですが、無理に法要の日程を前倒しにするなどということは必要ありません。故人の旅路を追い立てるようなことはせず、心穏やかに旅路の無事を祈って差し上げてはいかがでしょうか。

日程を調整してはいけないのか?

さて、「四十九日法要の日程を前倒しにする必要はない」と申し上げましたが、逆に「日程をずらすというのはいけないことなのか」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。

世の中にはさまざまな職業や学校があり、本来の49日目が平日であれ土日祝日であれ、御遺族の都合とうまく嚙み合わないことは多々あります。

区切りの法要でもありますから、故人の為にも一人でも多くの方に出席していただきたいですね。

もし御遺族の都合が悪い場合、住職や親族の方々と相談し、より希望に合う日程に変更してもらうといいでしょう。あくまでも、理由が「三月またぎ」などの迷信であるのなら変更する必要はないということです。とはいえあまり本来の日程とかけ離れるのもよくありませんから、きちんと話し合うことが大切ですね。

それでも不安に思う親族がいるのなら

葬儀に関わることには、さまざまな迷信・俗信や言い伝えがあります。昔は病気やケガで簡単に命を落としてしまう時代でしたから、災いを少しでも避けたいという願いを込めて、縁起を担いだり、日常とは違う行動をするなどの慣習が生まれました。

ですが科学の発達した現代においては、迷信・俗信を気にしないという人も多くなりました。しかしそれでも、良くないことが起こったときには、「ああ、やっぱり……」と思ってしまうのが人の心。

特にご年配の方や弔事にかかわることの多い方(講組さんなど)は、「三月またぎ」などに良い顔をされない方も少なくありません。

もし、どうしても不安がぬぐえないようであれば、ご住職からお話していただくのも一つの方法です。

まとめ

いかがでしたか?今回は三月またぎについて解説しました。

根拠のないこととわかっていても、ふと耳にしてしまうと「これでいいのかな…?」と不安になることはよくあることでしょう。

しかし本当に大切なことを知っていれば、周りの人がなんと言おうと落ち着いて冷静な判断ができるのではないでしょうか。

迷信・俗信に振り回されるのではなく、何が本当に大事なことなのかをよく考え、事実をしっかりと見つめ、冷静な判断ができるようになりたいものですね。

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