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独創的な宗派「日蓮宗」とは | の葬儀・家族葬なら家族葬の花水木

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独創的な宗派「日蓮宗」とは

2023年05月06日

「日蓮宗」は、「一心に法華経を信じ、南無妙法蓮華経の題目を唱えれば、必ず、霊山浄土に赴くことができる」という日蓮聖人の教えをよりどころとしています。

日蓮宗が興されたのは鎌倉時代中期。災害や戦乱で混沌としていたその時代です。そんな時代に人々を救うために生まれた日蓮宗は、現在も多くの人々に信仰され続けています。

今回はそんな「日蓮宗」について解説いたします。

日蓮宗とはどんな宗教?

日蓮宗は日本仏教の宗旨のひとつで「法華宗」とも称します。鎌倉時代中期に日蓮によって興され、かつては「天台法華宗」に対し「日蓮法華宗」とも称しました。

開祖は日蓮(日蓮聖人)です。当時、法華経以外の経典においては「女性や武士、一部の人々は成仏できない」とされていました。しかしそんな中、法華経の説く「差別なく万人を平等に成仏できる」という仏教思想の原点に今こそ戻るべきである、とした日蓮の教えは、当時の仏教界に新たな風を吹き込んだのです。

また、数ある日本の仏教宗派の中で日本人の宗祖の名前がそのまま宗派名となっているのは、日蓮宗だけです。

日蓮宗の歴史

日蓮は貞応元年(1222年)、現在の千葉県安房に生まれ、幼名は善日磨と名付けられました。

12歳のとき、地元における天台宗の名刹であった清澄寺に登り、16歳で出家し名前も是聖房蓮長と改めます。

やがて19歳の頃、多くの典籍と導いてくれる高僧を求めて比叡山に登ることとなります。当時の天台宗は密教が盛んであり、法然による浄土宗が影響を強くさせつつある頃でしたが、蓮長は10年以上にもわたる研鑽の中で「法華経こそ仏国土における経王である」との確信を掴みます。

比叡山での修行を終え、安房に戻った蓮長は清澄寺で法華経の肝要について話しますが、同時に法然の浄土念仏を激しく排斥したことから寺を去らざるを得なくなりました。そして鎌倉の松葉谷に草庵を結ぶことになります。法華経の行者としての自覚の高まりと共に、名を日蓮と改めたのも丁度この頃のことです。

日蓮宗は明治5年(1872年)、政策「一宗一管長」制に基づいて合同した日蓮門下の全門流の宗号でありました。しかし明治7年(1874年)、「日蓮宗一致派」と「日蓮宗勝劣派」に分かれて解散することとなります。

明治9年(1876年)、日蓮宗一致派が公称を許されましたが、昭和16年(1941年)には三派合同によりまたも解散となります。

そして昭和16年(1941年)、三派合同により成立した「宗教法人・日蓮宗」(総本山身延山久遠寺)が現行の日蓮宗となります。

日蓮宗の教えとは?

法華経は最澄によって日本に伝えられましたが、それによって開かれた天台宗は法華円経・真言密教・達磨禅法・大乗菩薩戒を融合させた総合仏教とも言うべきものでした。そうした中で日蓮は、法華経の「五義」と「三大秘法」を説くことによって、その重要性を主張しました。

五義

まず「五義」とは何でしょうか?これはブッダの教えの中から、「法華経こそが我々を救うものであることを5つの面から論証したもの」とされます。

具体的には

・「教 (法華経こそが最高の経典であると言う事を知ること)」

・「機 (教えを受ける人々のこと)」

・「時 (法華経が必要とされ、教えが広められる時期)」

・「国 (教えが広められるべき場所)」

・「序(師) (教えが広められるべき場所にこれまではどのような教えがあり、またどのような教えを広めるべきか知ること)」

です。

三大秘法

次に「三大秘法」とは。日蓮が説いた

・「本門の本尊(大曼荼羅) (釈迦牟尼仏が人々を救ってくれると信じ、帰依すること)」

・「題目 (「南無妙法蓮華経」のこと。この題目を唱え実践し、念じることにより仏と一体化できるとされる)」

・「戒壇 (題目を唱え、仏と一体化する場。つまりは、生活する社会や国家)」

を総じて三大秘法とし、更に諸経の王と位置付けられる経典、「妙法蓮華経(法華経)」を釈迦の本懐にして最高無上とします。また題目(南無妙法蓮華経)を唱えることを重視しているのも大きな特徴の一つでしょう。「南無妙法蓮華経」とは「妙法蓮華経(法華経)に帰依する」の意であり、「題目」は経典の表題を唱えることに由来します。

日蓮宗の葬儀の特徴

日蓮宗の葬儀とは「南無妙法蓮華経」とお題目を唱え、故人を霊山浄土へと旅立たせる儀式とされています。

よってお題目を唱えることが重要で、葬儀の最中にも唱えられることが特徴です。葬儀の場でお題目を唱えることにより「故人の生前の信心深さを称え、無事に霊山浄土に辿り着き成仏する手助けができるため、功徳を積むことになり修行が進む」とされています。

 

また日蓮宗では戒名を「法号」と呼びます。

これは日蓮聖人の「法華経に帰依することが持戒にまさる」という教えによるものです。そのため、葬儀でも授戒という作法はありません。信仰に入った証として法号が授けられることとなります。

「信仰に入った証」ですので、本来は生前に受けておくべきものではありますが、現在では亡くなってから受けるケースが多いようです。

まとめ

仏教ではブッダの説かれた全ての経を「一切経」とし、その数は七千余巻といわれます。それがあまりにも多いために、その理解に違いによって色々な宗派に分かれています。ところがブッダが「題目を唱えれば成仏できる」と説かれた経は存在せず、「南無妙法蓮華経」さえも一切経に出てこない言葉です。このことからも日蓮宗は独創的な宗派と言えるでしょう。

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