このブログシリーズも、今回が最後になります。
これまで私は、葬儀の価格のこと、直葬や一日葬のこと、そして「安さ」だけで選ぶことの危うさについて書いてきました。そして前回、「迷惑をかけない死」という考え方に違和感があると書きました。
そのうえで、最後にどうしてもお伝えしたいことがあります。
終活とは、安い葬儀を探すことではありません。
終活とは、自分の最期をどう迎えたいかを考えることです。
■誰にも見送られない最期という現実
あまり知られていませんが、日本には「行旅死亡人(こうりょしぼうにん)」という扱いがあります。
・身元が分からない
・引き取り手がいない
このような場合、行政が火葬・埋葬を行います。
そこにあるのは――
お通夜も、葬儀も、見送る家族もいない最期です。
静かに処理され、
存在が社会から消えていく。
そしてこれは、決して特別な話ではありません。
■実際にあったご相談です
ある女性の方から、叔父様の葬儀についてご相談をいただいたことがありました。
その叔父様には借金があり、長年疎遠だったそうです。
関係もほとんど切れていて、当初は身元の引き受けはしないという方向で話が進んでいました。
本来であれば、そのまま行政対応となり、自治体による埋葬となってもおかしくない状況でした。
けれど、自治体から強く連絡が入ったそうです。
「ご親族がいらっしゃる以上、引き取りをお願いできませんか」
その一言で、状況は変わりました。
その女性は、気持ちの整理もつかないまま、病院へのお迎えから葬儀までを手配することになりました。
■突然、全部を背負うことになる
こういう時、残された側には短時間で重い判断が一気にのしかかります。
遺体を引き取るのか。
葬儀をどうするのか。
費用はどうするのか。
相続はどうするのか。
準備も覚悟もないまま、現実だけが先に来る。
正直、かなりきついです。
しかも、疎遠だった相手であればあるほど、感情も複雑です。
悲しいだけでは済みません。
怒りや戸惑いや、「なぜ自分が」という思いも混ざります。
終活をしていないというのは、こういう重たい判断を、ある日突然、残された誰かに丸投げすることでもあります。
■それでも「やってよかった」と言われた理由
その女性が選ばれたのは、最もシンプルで、費用を抑えたプランでした。
故人様に手持ちのお金はなく、相続も放棄するご意向でした。
できるだけ負担を増やさない形を選ぶしかなかったのです。
それでも葬儀を終えたあと、その女性は非常に感謝してくださいました。
この感謝は、単に「安くできたから」ではないと私は思っています。
何もしないまま終わらなかった。
最後だけは、きちんと区切りをつけることができた。
最低限でも、見送ることができた。
そのことに対する感謝だったのではないかと思います。
■終活とは、残される人を守ることでもあります
終活というと、どうしても「自分のための準備」と思われがちです。
もちろんそれも間違いではありません。
ですが、本当はそれだけではありません。
終活は、残される人のための準備でもあります。
自分が亡くなったあと、誰に連絡してほしいのか。
どのように見送ってほしいのか。
どこまでを望み、どこからは望まないのか。
費用をどう考えているのか。
それを少しでも整理しておくだけで、残された家族の負担は大きく変わります。
逆に、何も決まっていなければ、家族は迷います。
迷ったまま時間だけが過ぎます。
そして最後に、「これでよかったのだろうか」という後悔が残ることがあります。
■安いかどうかより、大事なことがある
私は、安い葬儀が悪いと言いたいわけではありません。
費用を抑えることが必要なご家庭もありますし、実際にそれで助かる方もいます。
それは現実です。
ただ、終活の目的が「とにかく安く済ませること」だけになってしまうと、本当に大事なことが見えなくなります。
どんな最期を迎えたいのか。
誰に、どう見送ってほしいのか。
残された人に、どんな負担をかけたくないのか。
ここを考えないまま価格だけを見ると、準備したつもりで、実は何も準備できていないことがあります。
■最後にお伝えしたいこと
このシリーズを通して、私はずっと「価格だけで葬儀を見てほしくない」とお伝えしてきました。
そして最終回として、最後に一つだけはっきり言います。
終活とは、安い葬儀を選ぶことではありません。
終活とは、自分の人生の終わり方と、残される人のことを考えることです。
豪華である必要はありません。
大きな葬儀である必要もありません。
でも、何も決めないまま、何も伝えないまま終わってしまうと、残された人が苦しむことがあります。
だからこそ、今のうちに少しだけでも考えておいてほしい。
話しておいてほしい。
相談しておいてほしい。
それが、終活の本当の意味だと私は思っています。
家族葬の花水木では、事前相談を通して、それぞれのご家庭に合った形を一緒に考えています。
他社さんと比較していただいても構いません。
そのうえで、「ここなら任せられる」と思っていただけるかどうか。
それが何より大切だと考えています。
少しでも気になることがあれば、いつでもご相談ください。
終活は、急いで結論を出すものではありません。
まずは知ること、話すことから始めてみてください。
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