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臨終後の儀式「末期の水」 | の葬儀・家族葬なら家族葬の花水木

葬儀前

臨終後の儀式「末期の水」

2021年04月09日

「末期の水」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?

末期の水とは、故人のお別れの際に行われる儀式のひとつです。

身内の大切な方が亡くなったときに、残された家族が一体何を

しているのだろう?と思ったかたもいるかも知れません。

ここでは「末期の水」について由来や意味、作法について家族葬の花水木が解説していきます。

末期の水とは?

末期の水の由来

「末期の水」は(まつごのみず)と読み(まっきのみず)とは読まないので注意しましょう。「死に水を取る」と表現される場合もあります。臨終の際に故人の口に含ませて差し上げる、最後の水のことです。

「末期の水」の由来は諸説ありますが、有力なものはお釈迦さまが自身の末期を悟った際に喉の渇きを覚え弟子に水を求めたが、近くの水飲み場の水は酷く濁っておりとても飲むことが出来ません。弟子がそのことを伝えるが、お釈迦さまは喉の渇きを我慢できないので、少し遠くの水飲み場の水を汲んできて欲しいと再度頼んだところ、信仰心の厚い雪山の鬼神が、代わりにきれいな水を持ってきたその水をお釈迦様に与えたところ、お釈迦さまは安らかにお浄土に旅立つことができたと伝えられています。

ほかに、故人に生き返って欲しいという願いや安らかに旅立って欲しいとの想いが込められていたのもひとつです。

また、医学が発達する前までは、亡くなっているかの確認のために末期の水を取っていたとの説もあります。

末期の水をとる宗教は?

亡くなったときに行う仏教の儀式でほとんどの宗派で末期の水を行いますが、宗派による教えが違い、浄土真宗は亡くなるとすぐに極楽浄土に生まれ変わると説いていますので、末期の水を不要としている寺院も多くあります。

末期の水の手順について解説

末期の水を行うタイミングは?

もともと末期の水は亡くなる前の病人に対して行うものでしたが、現在では亡くなってから末期の水を取られています。

病院で亡くなった場合は、医療スタッフの方が末期の水を準備して下さる所もありますので、医療スタッフの方に従って行います。

自宅で亡くなった場合は葬儀社や訪問介護師が準備をしてくださる所もありますので、その方に従って行います。

もし、用意がなされていない場合は、喪主が準備をする必要があります。

末期の水の際に準備するもの

※末期の水の際に用意する道具の一例です

●新しい割りばし・脱脂綿・ガーゼ・輪ゴム 白糸(どちらか)

●グラス 湯呑 生前使っていたお茶碗(どれか)

地域により新しい筆や樒の葉、菊の葉などの準備が必要な所もあります。

末期の水のやり方

それでは、末期の水を執り行う際の手順の一例を紹介します。

湯呑もしくはグラスなどに水を注ぎ枕元に準備します。

新しい割りばしに脱脂綿もしくはガーゼを輪ゴム、もしくは白糸で括り付けます。

(地域により新しい筆や樒の葉、菊の葉などの準備が必要です。)

枕元に置いた水に脱脂綿を湿らせ、故人の唇へ持っていき上唇の左から右になぞり、下唇も同様になぞります。

たくさんの水を飲ませてあげたいとの気持ちがあると思いますが、故人が安らかに旅立ってお浄土へ行くための儀式ですので、唇を湿らす程度にします。

そののち、額、鼻、頬の順番で左から右へ、上から下へとお顔を拭いて差し上げます。その際、「お疲れ様」「ゆっくり休んで下さい」など故人に声をかけながら行います。

末期の水を行う際の注意点

上記で説明した通り、故人を思う気持ちで執り行う儀式ですので、唇を湿らす程度にします。無理に口の中へ入れないようにしましょう。

臨終に立ち会った人が全員儀式に参加します。

喪主、配偶者、子供、親、兄弟姉妹と血縁の濃い順番で行います。遅れてきた人のために枕元に置いておきましょう。

ただし、小さなお子様は無理にさせる必要はありません。末期の水を準備したスタッフからのアドバイスがあれば従いましょう。

神道の葬儀でも末期の水は行うの?

末期の水は仏教では上記で説明したお釈迦様の話が由来とされていますが、神道では意味合いが変わってきます。

神道で行われる末期の水の意味は死者の穢れを清めるためとされています。

神道では、人の死は穢れとされています。穢れを払うために水で清める儀式が末期の水とされています。穢れを払うためと考えられる神道式の末期の水は、仏教とは方法が異なることもあります。

末期の水以外の臨終後の流れ

末期の水を取られたのちは、清拭または湯灌~死化粧~死装束の着付け、という流れになります。

病院で処置をしていただく中に、アルコールでお身体を清めていただけます。これを清拭といい、医療処置として行われます。

上記で説明したように病院での清拭は医療処置としてお行われるものであり、お別れの儀式として行われるものとは違います。

湯灌とは亡くなった方のお身体を家族が洗い清めお別れの儀式として古来より執り行われてきました。ただ単にお身体のお清めをするだけでなく、亡くなられた方の来世での幸せを願い現世での痛みや苦しみを洗い流す儀式です。ご遺族にとってこころの節目としても、大切な儀式です。

湯灌ののち、死化粧をしお身体を整え、死装束(経帷子)にお着替えをします。最近では亡くなられた方が生前に好んでいた服や着物を着せ、納棺時に経帷子を上から掛けて差し上げる場合もあります。

まとめ

末期の水は最期のお別れの儀式であり、お釈迦様の故事に由来しつつも、故人に対して安らかな旅立ちを願う風習のひとつです。

大切な家族とのお別れを遺族が気持ちに区切りをつけられるように行う最初の儀式ですので、立ち会ったかたは末期の水を取るようにしましょう。

また、遅れてきたかたも末期の水が取れるように、準備しておきます。

寺院や神社などの考えかたや地域の慣習や風習により末期の水の取り方が異なる場合もありますので、事情に詳しい葬儀社に事前に葬儀の流れを聞いておくのが良いでしょう。

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