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お骨を自宅の庭に埋葬したい | の葬儀・家族葬なら家族葬の花水木

葬儀後

お骨を自宅の庭に埋葬したい

2022年11月19日

これまでは、遺骨の供養方法と言えば、骨壺に入れてお墓へ納骨するのが一般的でした。しかし、近年では、「お墓を見られる人がいない」「残った家族に迷惑をかけたくない」「故人の好きだったところに散骨してあげたい」などの理由で、納骨堂や、永代供養、樹木葬、海洋散骨などの様々な方法から遺骨の供養方法を選ばれる方も増えてきています。
その中でも今回は、お客様から時々ご質問いただく、「自宅の庭に埋葬できるのか」について解説していきます。

遺骨を自宅の庭にうめるのは可能?

遺骨を土に埋めることを「埋葬」と言います。
自宅の庭や公園など、市町村の認可のない場所に遺骨を埋葬すると「遺棄罪(死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、3年以下の懲役に処する)」などの対象になり、処罰がくだる可能性がありますので、自宅の庭に「埋葬」することは出来ません。
しかし、自宅の庭に遺骨を埋めるのではなく、「粉骨」して「散布」する場合は、「埋葬」ではなく「散骨」となり「遺棄罪」にならない場合もあります。

埋葬とは?

「埋葬」とは、主に土を掘って遺骨を埋めることを言いますが、お墓のカロートの中に骨壺を置くことも、一般的には「埋葬」と言われます。
日本には「墓地埋葬法」という法律があり、市町村に許可されている墓地以外の場所に遺骨を「埋葬」することは禁じられています。東北地方ではお墓のカロートのなかに遺骨をバラまいて「散骨」と言うことがありますが、厳密にはこれも「埋葬」です。
もし、自宅の庭にお墓をつくり、カロートに骨壺を納骨した場合や、自宅の庭に穴を掘り、骨壺を埋めた場合は、その土地が自分の土地であっても、市町村の許可のない場所に「埋葬」したことになり「死体遺棄罪」などになる可能性がありますので注意しましょう。

散骨ならできる可能性がある

では、自宅の庭に「散骨」する場合はどうでしょうか。
「散骨」とは、火葬後の遺骨を粉骨して海や山などの自然の中に撒くことを言います。前記した墓地埋葬法は昭和23年に施行されたもので、当時は、「散骨」という供養方法が一般的ではなかった為、「散骨」についての規定がなく、現状、法律的には合法とも違法とも記載されていないグレーゾーンの供養方法です。しかし、平成3年に法務省が東京の市民団体が行った海洋散骨に対し「葬送を目的として、個人が節度をもって実施する分には遺棄罪にはならない」という見解を出しており、厚生労働省も「墓地埋葬法では、遺灰を撒くという行為を想定していないため対象外である」と発言しました。これを機に「散骨」は違法ではないとの認識となり「散骨」という供養方法が広まっています。よって、この後に解説する条件(法律や自治体の条例)をすべてクリア出来れば、自宅の庭での「散骨」は可能といえます。

自宅の庭に散骨するための条件

自宅の庭に「散骨」する為には、主に下記の3つの条件をクリアする必要があります。

まず、1つ目が「散骨」をする場所です。
「散骨」が可能な場所は、
①公海上
②所有者の承諾を得ている土地
③業者が所有している散骨場
とされており、自宅の庭が自身の土地であれば、②所有者の承諾を得ている土地、となりますので「散骨」が出来る可能性があります。

2つ目は法律ではありませんが、
・水源地付近や生活用水として利用される河川、湖、沼など
・漁場、養殖場、防波堤など
・公園や住宅地
・観光地や観光ルート
上記での「散骨」は避けるようにとの国からの指導がされています。

3つ目は、自宅のある自治体の条例です。
自治体によっては、地域内での「散骨」そのものを禁止している場合があります。また「散骨」自体は禁止されていなくても、隣家と一定距離、離れていることや、隣家の承諾を得ていることなどが条例で決められている場合がありますので、自治体の条例も確認するようにしましょう。

自宅の庭に散骨する際の注意点

前記した、条件をすべて満たす場合、自宅の庭での「散骨」が可能です。
しかし、「散骨」を行う際にはいくつかの注意点があります。今回は主な3つの注意点について解説いたします。

①遺骨の「粉骨」方法

遺骨は、乳鉢などで、必ず遺骨と分からない大きさに粉骨する必要があります。遺骨と分かる大きさで散骨した場合は「死体損壊・遺棄罪」に触れる可能性があります。具体的に法律での大きさの規定はありませんが、散骨業者の自主規定では2㎜以下の大きさに粉骨する場合が多いので、自分で粉骨する際は目安にしましょう。また、金属などが含まれている場合は除くようにしましょう。

②「埋葬」にならないようにする

自宅の庭への「散骨」は違法ではありませんが、「埋葬」は違法です。遺骨を「散骨」した後、遺骨が飛ばないように…、遺骨が見えないように…と思い、薄くでも土をかぶせたり、落ち葉をかぶせたりした場合は、「埋葬」とみなされ違法となります。また、「散骨」した場所が分かるようにと、散骨後に木を植えた場合も、植えた木が墓標とみなされ、法的には「墓標があるところ=墓地」となり、無許可の墓地を作ったことになってしまい違法となりますので気を付けましょう。

③近隣住民とのトラブルに注意する

法律や条例では「散骨」が可能でも、自身の住居の近くで「散骨」されることを良く思わない方もいます。「散骨」をする際は、事前に近隣住民の承諾を得た上で、「散骨」時は、隣の土地に遺骨が飛ばないよう風向きなどにも気を付けて散骨するのが無難です。近隣住民の承諾を得るのが難しい場合は、「散骨」するのが分からないように、目立たない位置、服装で行うようにしましょう。

上記以外の注意点としては、粉骨したご遺骨には人体に害のある物質が含まれている場合がありますので、散骨時は粉骨した遺骨を吸い込まないように注意すること等があります。

まとめ

自宅が自分の土地で、自治体の条例に触れなければ、自宅の庭に「散骨」することは可能です。しかし、自分で2㎜以下に粉骨することや、近隣住民とのトラブル回避などクリアするのが大変なことも沢山あり、経験のない方が初めて行うには難しいかもしれません。また、「散骨」は一度してしまうと、「改葬」することが出来ないことにも注意が必要です。粉骨だけ専門業者に依頼することや、自宅での散骨以外にも専門業者が行ってくれる「海洋散骨」「森林散骨」「宇宙散骨」なども視野に入れ、無理のない形で行うようにしましょう。

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