
葬儀に参列するとき、「焼香の回数を間違えたらどうしよう」「どんな言葉をかければよいのだろう」と、故人様を思う気持ちより先に作法の不安が浮かぶことはないでしょうか。
2026年6月16日に公表された燦ホールディングスの「葬儀マナーに関する意識調査」では、全国の30歳から69歳までの男女1,000人のうち、葬儀マナーに「常に不安を感じる」と答えた人が29.1%、「たまに不安を感じる」と答えた人が42.6%でした。合わせると71.7%です。
私は、この数字を「参列する人の知識が足りない」とは受け止めません。むしろ、分からないことを恥ずかしいと思わせてしまう側に、私たち葬儀社の課題があると受け止めます。
葬儀の場は、マナーの知識を試す場所ではありません。大切な人へ感謝を伝え、命のつながりを確かめる場所です。だからこそ、作法への不安でお別れに集中できない人を一人でも減らすことが、葬儀に携わる私たちの仕事です。
葬儀の場は、作法を採点する場所でしょうか
焼香の仕方、お悔やみの言葉、香典の包み方、服装。葬儀には、日常生活では触れる機会の少ない作法があります。
しかし、その作法は、人をふるいにかけるためにあるものではありません。故人様を敬い、ご遺族を思いやり、静かにお別れをするために受け継がれてきたものです。
宗派や地域、会場、ご家族の考え方によって対応が異なることもあります。知らないことがあるのは自然です。分からないまま立ち尽くしている方がいれば、そっと声をかけ、その場に合う形を分かりやすく伝える。それが現場にいる葬儀社の役割だと私は思います。
葬儀の基礎知識を事前に確認することは不安を減らす助けになります。それでも、情報を覚えることより、「分からなければ聞いてよい」と思えることの方が大切です。
ネットで調べても不安が消えないのは、なぜでしょうか
同じ調査では、葬儀マナーを調べる方法として「インターネット検索」を挙げた人が69.4%でした。一方で、地域の風習やマナーを親や親族、年長者から自然に学ぶ機会が減っていると感じる人は80.7%に上りました。
ネットで知識を得られることは、とても便利です。ただ、検索で見つけた答えが、目の前の葬儀にそのまま当てはまるとは限りません。宗派や地域の慣習、ご家族の意向、式場の運用によって、案内が変わることがあるからです。
情報が多いほど、「どれが正しいのか」と迷うこともあります。だから、葬儀社は検索結果を繰り返すだけでは足りません。そのご家族、その会場、その場面に合わせて、今何をすればよいのかを短く、分かる言葉で伝える必要があります。
分かりやすい説明は、葬儀の品質そのものです
花水木では、専門用語をそのまま並べず、ご遺族の立場でかみ砕いて説明することを大切にしています。悲しみの中にいる方へ、一度に多くのことを伝えても届きません。今決めること、後で確認できることを分け、順番にお話しする。その積み重ねが安心につながります。
これは綺麗ごとではありません。葬儀はやり直しがきかないからこそ、分からないまま進めないことが大切です。
家族葬や一日葬という名称だけを知っていても、実際の流れや参列範囲、ご家族が大切にしたい時間までは決まりません。一つひとつ確認し、納得できる形に整えるところまでが説明です。
花水木が大切にしていることも、仕組みを並べるためではなく、ご家族が同じ担当者に質問を重ねながら、安心してお別れへ向き合えるようにするためのものです。
家族で先に共有しておくとよいことは何ですか
細かな作法を暗記する必要はありません。もしもの時に慌てないためには、次のようなことを家族で話しておくと整理しやすくなります。
- 誰に葬儀の案内を伝えたいか
- 香典や供花について、どのような意向があるか
- 宗派や菩提寺について、確認できる人や書類はあるか
- 分からないことを誰に相談するか
会場によって動線や案内方法も異なります。お近くの式場を確認することも、家族の会話を具体的にするきっかけになります。
事前にすべてを決めるためではなく、分からないことを見つけておくために相談する。私は、それも立派な終活だと思います。落ち着いて考えたい方は事前相談・資料請求を、急なご相談が必要な方はお急ぎの方への案内をご覧ください。
よくあるご質問
Q1. 焼香の作法を間違えたら失礼になりますか
宗派によって作法が異なるため、分からない時は会場の案内に従うか、スタッフへ確認してください。回数だけに気を取られるより、故人様を思い、落ち着いて手を合わせることを大切にしてください。
Q2. 家族葬では香典を持参した方がよいですか
ご家族が辞退される場合もあれば、受け取られる場合もあります。案内に記載された意向を確認し、分からない場合は事前に葬儀社へ尋ねると安心です。
Q3. 参列マナーだけでも事前相談できますか
葬儀の流れや地域の慣習、服装、焼香、香典など、気になることを相談して構いません。質問を整理しておくと、ご自身の状況に合う案内を受けやすくなります。
葬儀で大切なのは、間違えないことを見せることではありません。大切な人へ、心から感謝を伝えることです。
花水木は、分からないことを責めません。難しい言葉で距離をつくりません。目の前の方が安心して最後のお別れに向き合えるよう、今日も一つひとつ、分かる言葉でお伝えしていきます。

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